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ずっとこの白い肌に触れたかっただの何だのと、今まで散々妄想していたらしい事柄を勝手に暴露し続けながら、いかにも辛抱堪らんといった感じで鼻息荒く、少女の体を自身の体格に見合った太い指でまさぐり出す。
だが今なら、少女の口は自由に動く。
「いい加減にしなさい、このけだもの! こんな事がお父様やお兄様に知れたら、どうなると思って!?」
これは、少女が思い付く限りでは最高と思われる脅し文句だった。
しかし言われた当の本人はうろたえる様子もなく、あっさりと鼻で笑う。
「ふん、あのボンクラ共に何が出来る。あんな愚物に伝わった所で、痛くも痒くもない」
こう、取り繕う事を止めたルカを、少女はキッと睨み付けた。
「とうとう本性を現したわね、ワイズメル!」
羞恥と言うよりは、受けている許し難い屈辱に顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
とはいえ、自暴自棄に近い。少女はルカの腕の力だけでなく、何より重いルカの体重の所為で未だに全く見動きが取れない。その情けなさに、少女の心は折れ始めていた。
「誰か! 誰か居ないの!? シューレン!」
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