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「ではまずは数学からだ。数学は公式を覚える事に点数を取る秘訣が隠されているんだ」
祐希はそう言いながらホワイトボードに公式を書き出していた。
「この辺りまでがテスト範囲のはずだ」
たしか今日の授業でそんな事を言っていた気がする。
「まずはこの公式を使った練習プリントだ。時間は十五分、スタート」
いきなりプリントを渡してストップウォッチで時間を計りだす祐希。
……もしかしてこれからこんなスパルタな方法で勉強するのか?
「……とりあえずやるか」
半分諦めながらプリントに記入していく。
……これは分かる、これは分からない…
分からない問題はすぐに切り捨てて分かる問題を解いていった。
「そこまで」
「もう終わりか?」
「あぁ、採点しながら解説するぞ」
隣に座りながら赤ペンをクルクル回していた。
……いい匂いが漂ってきた。
「これはこうしてだな…」
身を乗り出して教えてくれるのはいいんだけど…、胸が当たってますよ?
「そしてこう」
当たったり離れたりを繰り返す祐希、……言わないと。
……だけどもったいない気もする。
「祐希、胸が当たってる…」
言わないと勉強にならないからな…
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