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それから下校時間までは数学の勉強をしていた。
祐希の教え方はすごく理解しやすくて、たった一時間で今までの授業全部を理解した気分だ。
「今日はここまでだな」
「やっと終わったー!!」
いくら理解しやすいと言っても勉強は勉強。
ものすごく疲れた…
「明日もこの調子で続けていくからな?」
楽しそうに言う祐希を見て、俺は笑っていた。
それはバカにした笑いじゃなくて、楽しさからきた笑いだった。
……不思議だな、勉強してて楽しいなんて。
……いや違う。
祐希としてるから楽しいんだ…
「ほらほら二人とも、イチャイチャしてないで帰るわよ~」
「「イチャイチャしてない!!」」
会長の言葉に俺たちは同時に反論していた。
「息ぴったしですね」
「さすが夫婦だな♪」
「「夫婦でもない!!」」
……反論するたびにからかわれる気がしてきた…
「と、とにかく帰るぞ!!」
祐希は耐えかねたらしく、一人で帰ろうとしていた。
「待てよ、送るぞ」
自然とそんな言葉が出ていた。
祐希の家の場所を正確に知らないのに…
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