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「君は…、なぜ私を女の子扱いするんだ?」
「はぁ…?」
いきなり何を言い出すんだコイツは…
「はっきり言って私は女の子らしくない…、言動だって男っぽいし…」
自分で言いながら落ち込んでいく祐希…
……コイツそんな事気にしてたのかよ。
「確かにそうだな。でもそれは祐希の個性だろ?」
「でも…」
「それにかわいい、女の子だからな」
「なっ…」
突然のかわいい発言のせいで祐希は言葉を失っていた。
「祐希みたいなかわいい子、街歩いてたらナンパされるよきっと」
さらに追い打ちをかけてみた。
いつもの祐希ならここで暴れだすんだけど…
「……ありがとう」
顔を赤くしてうつむいてしまった…
いつもと違う祐希…
そんな祐希を見て一瞬ドキッとした。
……なんでこんなにドキドキしてんだ?
「ここまでで大丈夫だ、また明日」
前に別れた場所で祐希がそう言った。
「家まで送るぞ?」
「大丈夫だ、またな!!」
祐希は俺の返事も聞かずに走り出していた。
俺は追いかける事もできずにボーっと立っているだけだった…
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