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俺は鈴野祐希が何を言ったのか理解できていなかった。
「聞こえなかったか?生徒会に入らないか?」
「いや…、意味が分からないんだが?」
「ふむ…、生徒会という組織に加入するという意味なんだが?」
「いや…、そんな事は聞いてないんだけど…」
鈴野祐希は口に手を当てて悩んでいた。
……俺が生徒会だって?
滑稽過ぎて笑えてくるぞ。
「じゃあなにが分からないんだ?」
鈴野祐希は困ったようにそう聞いてきた。
「なんで俺が生徒会に入らないといけないんだって事だ」
「あぁ、なるほど。それなら理由はあるぞ」
納得したらしく、笑顔でそう言っていた。
「今のを見たからだ」
「今の?」
まさかケンカの話か?
「友達は逃げたみたいだが、君はちゃんと女の子を助けていた。そんな正義感に満ちた男を見て、生徒会に誘おうと思ったんだ」
……さっきのが上手く勘違いされてるらしい。
本当はただケンカしただけなのに…
「という理由だ、入ってくれ」
「ありえないな、じゃあな」
そう言って俺は歩き出した。
「待てっ!!」
鈴野祐希が何か叫んでるが無視だ…
なんで俺が生徒会に…
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