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「ふぁ~…」
次の日、俺はいつも通り遅刻していた。
いつも三時間目くらいに学校に着く時間帯…
当然誰もいない通学路。
学校に着いても授業中だから静かだ。
……校門に誰か立っている?
こんな時間に誰だ…?
校門に近づくにつれて誰なのか見えてくる…
……ってアイツは!!
「遅いぞ!!今何時だと思ってるんだ!!」
校門に立っていたのは鈴野祐希だった…
しかも怒っているし…
「まったく…、君はいつもこんな時間に来てるのか?」
「何時に来ようと勝手だろ…」
「よくない、生徒会の人間なんだ。生徒の見本にならないとダメだ」
「……誰が生徒会の人間だって?」
「君だ、入るだろ?いやこの際君の意見は無視だ」
「おかしいだろそれは!!」
「なら君の意志で入ってくれ♪」
……何言ってもダメな気がしてきた…
「それより君の名前は?」
「……荒城将平だ。もう近寄ってくんなよ」
そう言って俺は鈴野の横を通って教室に向かった。
「……荒城将平か。ふふっ、名前さえ分かれば待ち伏せは成功だ。これで勧誘しやすくなったぞ♪」
鈴野が不敵な笑みを浮かべていた事、そして食い下がってこなかった理由を俺は知るよしもなかった…
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