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ファミレスに入ると、案外空いていてすぐに席に案内された。
「なぁ荒城君」
料理を注文し終えた後、祐希は声を潜めて話しかけてきた。
「どうしたんだよ」
「……後ろの方を見てくれ」
「後ろ…?」
祐希が指差した方を見ると三人組のお客さんが座っていた。
「あれがどうかしたのか?」
「長髪の女をよく見てくれ」
長髪の女って言われてもな…
……あれ?ところどころ金髪が見える…
「もしかして…」
「おそらくそうだ」
携帯をいじって何かをしている祐希。
電話をかけてるな…、相手は多分杏子だな…
プルルル、プルルル
コールが始まると長髪の女が自然に立ち上がった。
「もしもし杏子か?」
『よぅ祐希♪なんか用か?』
祐希はスピーカーモードにして俺にも聞こえるようにしてくれた。
「今からどこに行くか迷っていてな…、杏子に意見を聞こうと思ってな」
『なるほどな…、じゃあゲーセンは?』
普通に会話している…、やっぱり長髪の女は杏子じゃないのか?
「さっき行ったんだ、だからんっ!!」
クチュ、ピチャ
祐希はいきなり指をくわえてだした。
……何をしてるんだ?
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