233人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
『おはよーっ。』
『おうっ!』
朝練に向かう巧を、家の2階のベランダから手を振り見送る。
私の姿を確認し、
応える様に右手を高らかに上げて手を振り返す巧。
『頑張れー!』
朝日が文句無しに似合うそのたくましい背中が、
『お前も頑張れよ!』って、言ってくれているかのようだった。
『ねぇ、何か良いことあった?』
佳那が何かを察したかの様に問う。
『特に……』
まぁ、あったといえばあったのだけど、
その辺は省略して
『あっ、私、卓球部に入る事にしたよ。』
とだけ答えた。
『やっぱりやるんだ、卓球。
なかなか入部しないから、もう辞めちゃうのかと思ったよ。』
『ちょっと真剣に頑張って見ようかなって思ってる。』
『そっか。』
佳那も心配してくれていたんだって事が、その表情から読み取れた。
だって私達は、
親友だから。
『ところで佳那はどうするか決めたの?』
佳那だったらバスケ部当たりだろうかと思いつつ尋ねる。
でも返ってきた答えは、予想外なものだった。
『……サッカー部のね、
……マネージャー。』
最初のコメントを投稿しよう!