ライバル

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  『おはよーっ。』 『おうっ!』 朝練に向かう巧を、家の2階のベランダから手を振り見送る。 私の姿を確認し、 応える様に右手を高らかに上げて手を振り返す巧。 『頑張れー!』 朝日が文句無しに似合うそのたくましい背中が、 『お前も頑張れよ!』って、言ってくれているかのようだった。 『ねぇ、何か良いことあった?』 佳那が何かを察したかの様に問う。 『特に……』 まぁ、あったといえばあったのだけど、 その辺は省略して 『あっ、私、卓球部に入る事にしたよ。』 とだけ答えた。 『やっぱりやるんだ、卓球。 なかなか入部しないから、もう辞めちゃうのかと思ったよ。』 『ちょっと真剣に頑張って見ようかなって思ってる。』 『そっか。』 佳那も心配してくれていたんだって事が、その表情から読み取れた。 だって私達は、 親友だから。 『ところで佳那はどうするか決めたの?』 佳那だったらバスケ部当たりだろうかと思いつつ尋ねる。 でも返ってきた答えは、予想外なものだった。 『……サッカー部のね、 ……マネージャー。』
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