初キッス

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『お疲れ。』 『サンキュ。』 今まで何万回繰り返されたか分からない 私達のお決まりの台詞。 紅潮が残る汗ばんだ巧の横顔と この会話を交わしている瞬間が好きだった。 『お前、部活どうすんの?』 『ぅん……』 何かに入部するにしても、しないにしても、翌月までには答えを出さなければならない規則だ。 『やれよ。卓球。』 巧が地元のサッカー少年団に入団した翌年、私も卓球少年団に入団した。 特別 卓球が好きだったと言う訳ではなく…… 入団の理由は、 私も何かを頑張っていなきゃ 巧に嫌われるんじゃ無いかっていう 恥ずかしくなるくらい、超不純な理由だった。 そんな私が上達する訳も無く、 試合ではいつも納得のいく結果を出せず、卓球に対して 限界を感じていたのだ。 『サッカー部のマネージャーでもやろっかなぁ。』 もちろん 本気で言った訳では無かったけど…… 『……反対。』  ………… ……巧……
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