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それにいち早く気が付いた城崎は慌てて水を差し出した。
「すまない、本当にものが食べられないんだな…」
「……いいよ、もう…。それが普通、だし」
陽は受けとった水を飲みながら寄せていた眉を戻すと小さく息を吐き、じ……っと城崎を見る。
「………他に、話は?」
「っと、忘れてた。俺達は通称『特別裏委員会』っていう集まりなんだが……」
話を促すと城崎は突然『特別裏委員会』について語りだした。
特別裏委員会…別名シャドウ討伐隊の目的は、シャドウの住む先程まで四人が居た『陰』世界に行き現在居る『陽』世界にシャドウが零れ出たりしないように入口付近で討伐を行う事ならしい。
そして、それを作り上げたのがこの高校の校長『桐条美鶴』という人物だという事がわかった。
「…そこで、お前にも是非特別裏委員会に入って欲しいんだ。どうだ?」
「いい、よ。他にやる事、ないし…」
アッサリと即答で城崎の誘いに乗った陽に驚く三人が何かを言い出す前に理由を述べればなるほど、と納得された。
「記憶喪失だもんねー…。何がキッカケで思い出すかわからないし、了承するのが普通の流れか」
「これで活動が少しは楽になるッスね~!」
「これからよろしくな、新入り」
こうして、陽は特別裏委員会の一員としての学生生活が始まった。
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