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「ご……めん!」
冷房のよく効いたファミレスで蓮と竜也の座る四人席の前で息切れし、肩を上げ下げしながら汗だくで謝るのはさっきまで謎の少女に襲われて気を失っていた翔太だった。
「遅い。腹でも壊したか?」
蓮が冗談混じりに遅かったことに文句を垂れる。掠れた声で「ごめん……」と謝りつつ翔太は竜也の横に座る。
テーブルの上には二つのコップの中にそれぞれコーラとアイスコーヒーが入っている。コーラが竜也、コーヒーが蓮だろう。
「でもまぁ来ないよりは良いって」
と、相変わらず陽気に対応してくれる竜也が翔太には崇めるべき存在に見えなくもなかった。
「んで翔太、なんかあったの?ゲーセン行く時は遅れることなんてないのにさ」
蓮がコーヒーを一気に飲み干すと、珍しい翔太の遅刻に疑問を投げた。翔太は基本言いだしっぺなので遅れることはしないのだが今回は珍しく遅刻。
蓮が疑問に感じるのも不思議ではない。
「確かに。翔太が遅れるときは決まって親のお遣いとか腹痛とかなのにそれでもないって何があったんだよ」
つられて竜也もコーラを一口飲み、首を傾げた。
「う~ん……それが僕にもよくわかんないんだよね」
「「は?」」
翔太の予想外の返答に二人は拍子抜け声を出す。二人ともが予想してた返答とは違ったとは言え、きっと予想外過ぎた返答だったのだろう。二人は口を開けたまま翔太の顔をじっと見た。
「いや僕もまだ何が何だかよくわからないまま、ヤバい!行かなきゃ!って思って家から飛び出して来たもんだからさ」
そう言うと翔太はへへへ、と軽く照れて笑いこめかみを掻いた。
「んで何があったのかは覚えてんの?」
翔太の顔を見飽きた蓮はため息をつくとBC(Bump Charge)を取り出し、とりあえず話を進展させようと翔太に何があったのかを尋ねる。
「んー、そうだなぁ……」
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