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『QED』の本部、究明の塔。
そこに二人の人が居た。
一人は全て疑問系で話す『水流操作』。
理論純水を追い求める者。
もう一人は髪や眼、服が全て黒色の少年だった。彼は『QED』の『黒き者(ブラックボーイ)』。
音楽が人に与える可能性を見出そうとする者。
その二人がこの場に居た。
「これが報告書なのですか?」
そう言いながら『水流操作』は報告書を提出する。
「……ていうか、『水流操作』よ。その疑問系喋りをやめてくれないか?
一応、お前も科学者なんだから」
「でも、自身が無いから疑問系で喋るのかも?
だから疑問系で私は喋るのですか?」
「まあ、報告書は疑問系で無いので良いのですが。
……『水流操作』よ、二見美麗はどうだ?」
「作品、『彼女』ですか?
まあ、楽しそうでしたかもね?
次は『不思議の国のアリス』が行くので大丈夫でしょうかもね?」
そう言うと、『黒き者』の顔が強張った。
「『不思議の国のアリス』か。
あいつは危険だろ?」
「無事を祈るしか無いかもね?」
無事で居てくれと『黒き者』は、誰にも気付かれないように心の中で祈っていた。
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