日常の終わり

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で、まずは俺はこの美麗さんから事情説明をしてもらおう。 「で、ヨハンってのは俺の事?」 「そうです。ヨハン・ザ・クローク。 その男は私の前世、ストワーネ・メドレーの愛人です。 愛し、愛され、愛し合っていた」 「前世の話だろ?」 「ええ、私も少し前までは忘れていました。けど、私はこの事はあまり話したくないのです。欠点はあまり人に聞かせたくないのですよ。 でも私は思い出し、あなたがヨハンだという事を知ったし、あなたの事を見て恋に落ちました。これは恋愛、愛情、恋慕なのですよ。 だから、ヨハン。私と恋愛しませんか?」 それは告白だった。 人生初の告白、しかも女性から。 けど今の生活を変えたくない。俺は返事を迷っていた。 「こんな所に居たのですかな?探していたのですかな?」 いや、探していたかどうかはあんた自身にしか分からないだろう。俺はそう思いながら振り返った。
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