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しばらく歩くと水路に出た。
「このルナ・イタリアは1990年代の地球にあった都市、ヴェネチアをモデルに作られていて水路が町一帯に張り巡らされています」
レイジの説明を聞きながら愛佳はふと地球に居たときとの違和感を感じ、質問してみた。
「そういえば、車を見ませんよね?
確か、昔はタイヤが地面に着いていたから震動で建造物の傷みが促進するから使用出来ないと聞きましたが…
いまはホヴィー(半重力使用の月面車。重力の差を使って走る車のこと)がありますし、使用しても良いと思うのですが…」
恐る恐る聞いてみたがレイジはにこやかに返事を返した。
「そうですね、確かにホヴィー等の移動手段なら建造物に害はありません。
しかしながら、この町は今は無きヴェネチアを再現使用とした町ですからね…
そんな近未来的な乗り物は似合いませんよ。
だからこそ、あなた方・ゴンドリアーネが居るのでしょう?」
愛佳は、はっとして自分の質問を恥じた。
確かに電子的な移動方法が使えるならガイドは自動案内に任せればいいし、なによりゴンドリアーネの存在意義が無くなってしまう。
愛佳は軽いカルチャーショックを受けたまま黙ってしまった。
しばらく無言の時間が過ぎるとレイジ
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