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が「愛佳さん」と口を開いた。
「確かに…
不便な生活環境ですし、やはり地球に居た貴女からみると非合理的なのかもしれません。
しかし、全て含めて地球には無い魅力があるのではありませんか?」
愛佳は目を見開いてレイジを見た。
レイジはまるで父親の様な優しい笑みを浮かべていた。
「貴女もそんなルナ・イタリアの魅力に引かれてゴンドリアーネを目指したのではありませんか?」
レイジはそう言ってニコリと微笑むと立ち止まり、愛佳に告げた。
「さぁ愛佳さん、着きましたよ!
ここが今日から貴女の家になるゴンドラ会社…
[ルナ・ヴェネチアン]
です!!」
そこには小さいながら、存在感のある建物があった。
青い屋根が目印の店の中では数人が談笑している。
愛佳は軽く身震いし期待に胸を膨らませた
「(このお店から始まるんだ…
まだ見たことのない私の世界が!!)」
愛佳は感動に少し顔を上気させてレイジと共に店内に入った。
「それでは愛佳さん、部屋に荷物を置いて後で制服を着て社長室…
まぁうちは小さい会社なので二階に社長が居ますからそこに来てください」
レイジと別れた愛佳は自分のネームプレートを見つけ、そこに入った。
中にはベッド、クローゼット、机しかない質素な部屋だが、愛佳には宝箱の様に感じられた。
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