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とある街にある三流雑誌社の屋上で一人の男がタバコを吸っていた。
「…………」
フゥーと紫煙を吐き出し、眼下に広がる雑踏を見渡した。
この街にはいろいろな種類の人間がいる。
『最強の女』と謳われる存在。
『暴走小学生』と呼ばれる公園の一角に時折現れては、中年オヤジのネクタイをギリギリまで絞める妙な存在。
他にも、暴力団構成員などといったアンダーグラウンドなモノ達の存在もある。
それぞれが信仰している宗教も様々で、キリストから仏教までいくらでも信者は出てくる。
だが、ここ日本ではそういった宗教観が薄いと思う。
男は手に持っている雑誌を開いた。
どうでもいい、とりとめのないコトばかり書いてあった。
ただ、男は一つの項目に目が行った。
それは、『三丁目の峯神社!!そこに出た怪異!』というモノだ。
「……峯神社の怪異って……あそこの担当は二十年前に解雇されてるだろ…。
んだよ、あからさまにガセネタじゃねぇか」
今見た記事よりももっと斬新なモノが自分には書ける、と男―――『西條睦月』は確信した。
なぜなら彼自身、怪異の中の怪異、『神様』の部類に入る存在なのだから。
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