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「でもさぁアレク、これから何するの?具体的なことは何も決まってないよね?」
「とにかくまずは世界樹についてもっと知らないとな。この村には大規模な図書館があったはずだ。まずはそこに行ってみよう。」
…………。
フルール村は、村と呼ばれながらも小さな町に匹敵する程の規模を誇る。
魔術研究所、マナ採掘場、更には修行道場と言った施設まである。
そのうちの図書館は村の端の森の入口近くにある。
「さてと、ここが図書館のはずだが…」
アレクが扉の前で止まっていたので、リシアは気になりその扉を見てみると…
「最近、本の盗難が相次ぐため、犯人逮捕及び盗まれた本の補充の期間中、本館は休館させていただきます…だって。どうするの?」
リシアの声が少し低くなった気がする…
「…仕方ない。何か別の方法を………!?」
「…?アレク?」
アレクは少し離れた建物の入口を見ている。
そこには先程襲ってきた男の仲間と見られる人影が。
「とりあえず隠れるぞ!」
アレク達は図書館の門の裏側に隠れた。少し男達の声が聞こえる…
『おい!例の本はアジトに持って行ったか!?』
『ああ、今運び終わったところだ。そうカリカリするな。周りに聞こえるぞ。』
『あ、あぁすまない。』
『これからどうするんだ?』
『予定通り、あの本に書かれた暗号を解いていただく。』
『カレローラ様か…楽しみだな。俺らもアジトに戻るか。』
『あぁ…』
(アジト…?奴らの隠れ家が近くにあるのか?それにあの本…まさか…)
アレクの考えがまとまる直前、リシアが言う。
「本を盗んだ犯人ってあいつらじゃないの?」
「…あぁ多分な。よし、奴らを追うか!」
「うん。奴らが私を追い回す理由が分かるかも知れないし…行こう!」
アレク達は謎の男達を追いかける。
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