大樹の故郷-フルール-

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アレクは例の黒い『スイッチ』を手に取り、リシアに一言。 「あ、一応わかってるとは思うが、こういったスペシリアは何処に転移するかわからないからな。どんな場所に着いても落ち着けよ。」 「…え?今なんて…!?」 「まあ見とけって。」 そうこう言ってるうちにアレクは黒い『スイッチ』をもうひとつ見つけリシアに渡すと… グジャ! っと、その『スイッチ』を握り潰した。 「じゃあ先に行ってるからな。」 アレクは『スイッチ』を潰した手をスペシリアね中心に置いた。 すると、スペシリアの周りから真っ白な壁が出てきてアレクを囲んでいった。次に壁が床に戻ったときには、そこにアレクの姿は無かった。 「ホントに居なくなってる…どうしよう!私も行かなきゃ、だけど…」 リシアは自分の手の中の『スイッチ』を見て思った。 (…こんなところで迷っていても仕方ない、行かなきゃ!) そう決心するとリシアは先程のアレクと同じ手順を踏み、スペシリアを起動した。 壁に囲まれたリシアが次に見たものは… 「お!来たか。」 アレクの背後にあるもの。 見たことが無いモンスターの像だった。 リシアが驚いていると… 「ここは大昔の遺跡みたいだな。この像も大昔にいたモンスターのようだな。」 「なんでそんなこと…?」 「見てみろよ、この壁。」 アレクの指差す先には、これもまた見たことが無い文字。 「俺も見たことがない文字だ。がなんだか懐かしく感じた…なんでだろうな。」 アレクはなんだか虚しそうな顔をしていた。 「私も見たことがない…はずなのに…」 少なくもリシアの住んでいた世界にもこんな文字は無かったはずなのだが… 「私、この文字読めるみたい…」
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