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ガキィィィン!!
「なっ!?」
アレクが気付いた時には既に目の前に両刃刀が突き付けられていた。
男は即座にアレクの攻撃を受け止め、弾き返し、攻撃に転じていたのだ。
「お前達、一体何者だ…」
「それはこっちの台詞。貴方こそ何者?少なくとも私を追いかけて来た奴らとは比にならないくらい強いみたいだけど?」
そう言いながら、リシアは男の突き付けている刀の刃に重ねる様に自分のナイフを当てた。
「…お前達はこの組織の者ではないようだな…」
「…えっ…?」
「…ならいいだろう、だが少し場所を変えさせてもらう。」
リシアが当てていた男の刀はもう既に虚空に消えていた。
気付いた時にはアレクの後ろに男はいた。
気絶したアレクの後ろ首を掴んで。
「アレク!………!!?」
男はリシアの口を抑えると、
「先に言っておくが俺はお前達の敵ではない…おとなしくついて来てもらおう…」
男はそう呟くと、アレクを連れてスタスタと左の道を進んで行った。
リシアも男を警戒しながら、仕方なくついて行く。
…………………。
何処をどう曲がったかわからなくなる程リシア達は進んでいた。不思議なことに、これだけ歩いていて、誰とも出逢わなかったのだ。ここは敵のアジトだったはず…何か特殊な道でも通っているのかとリシアが考えていると、不意に男が立ち止まった。
「ここだ。」
男が目の前の扉を開けた。
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