あの出来事を越えて…

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「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」 ガキィィィン! (くそ!状況が悪すぎる!) 相手の剣を受け止めながらアレクは考えていた。 (敵は3人…小屋の出口を塞いでやがる…小屋の中で倒すしかないか……!?) 考えることに気をとられていたのか、アレクは2人目の男に右から切り掛かられた。 (くそ!間に合わねぇ…!) アレクが剣の柄で攻撃を受け止めようとした瞬間、 飛び掛かってきた男の左腕と太ももに2本のナイフが突き刺さった。 (っ…!?何が…?) アレクがふと後ろを見ると、リシアが更に2本ナイフを持って構えていた。 「大丈夫、アレク!?」 俺は小さく頷き、1人目の男の剣を払いのけ、ナイフが刺さった男を雑に蹴り飛ばした。 (1人減ったが…逃げた方が良さそうだな…) 「逃げるぞ、リシア!!魔神剣!」 『ぐはぁぁ!』 1人目の男が飛ばされている内に、アレク達は急いで小屋の出口まで走った。 すると、出口の前に3人目の男が立ち塞がった。 と、同時にアレクは叫んだ。 『飛燕連脚!!』 アレクは空中で横回転しながら男を連続で蹴りつづけ、最後に相手を蹴り飛ばした。 「リシア!とにかく走るぞ!いけるか?」 「当たり前じゃない!」 『待てぇ!!追え、追うんだ!!』 ……………。 どのくらい走っただろう、地平線からは既に日の光が見え始めていた。 「ここまで来れば大丈夫っと…」 アレクは坂を登って行く。 「ここは…?」 リシアが呟く。 二人は小さな丘の上にいた。その下には1つの村が… 「…あそこが一番近い村、大樹の故郷-フルール-だよ。」 「あれが…?なんだかマナ不足を感じさせないくらいに綺麗な村…」 「行こう。」 2人は小走りで丘を下って行った…
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