― プロローグ ―

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意識の奥から聞こえる音が微かなものからだんだんしっかりしたものに変わる。 睡眠を妨げる音。 瞼を閉じたまま手探りでベッドラックの目覚ましを探しスイッチを押す。 一度で起きれない人用ではないがリピート機能のスヌーズが作動するのを合図に布団の中で目一杯伸び瞼を開ける。 カーテンの隙間から入る淡い光りが今日天気を知らせる。 「さぁ…起きるかぁ。」 毎日同じ時間に起き流れ作業の様に出社の準備をする。 テレビでは同じ時間に運勢占いが始まり、結果を見終えて家を後にする。 会社でも誰でも出来るような内容の仕事を淡々とこなし、時たま1、2時間の残業をするが、ほとんど定時での退社。 .
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