【3】

5/7
前へ
/27ページ
次へ
とうとう卒業式の時期が来た。 記念すべき卒業の今日、私はベッドに横たわったまま携帯を弄っている。 彼女からメールが来たのだ。 卒業式の出席のことを聞かれ、私は当然のごとく欠席をすることを伝える。やはり彼女も同じらしく、私と同様まだベッドでだらけているらしい。 ただ、マコは出席するようだ。昨日も先生に卒業式のことを聞かれたっけ。 『お前ら、卒業式はどうするんだ?』 『出ない』 『なんで!?一生の思い出だよ!?』 『でも、小学校とかでやったし』 『いやいやいや!そこ関係ないから!!』 『せっかくの卒業式なんだから、卒業生は出なきゃだめだろ』 『せっかくの卒業式だから休むんだよ!』 『なんでだよ!』 『眠い!!』 『眠くてもいいから来い!!』 『なに言ってるんですか先生!卒業生が堂々と寝てていいと思ってるんですか!?』 『起きろー!!』 いや、だって眠いんだもん。 そんなことを思い出していると、彼女から返信が。 夏休み、どこか行かないかという誘いだ。 そういえば、彼女は遠くの学校に行くんだっけ。電車で二回ぐらい乗り継いで、二時間? 私は乗り継ぎなしで電車で二十分の学校。マコはバスだったかな。 彼女は遠いから、その学校の寮に入る。彼女に会えるのは長期休みの間だけ。 私は彼女と会う約束をし、メールを終わらせる。 ああ、夏休みが楽しみだ。 .
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加