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とうとう卒業式の時期が来た。
記念すべき卒業の今日、私はベッドに横たわったまま携帯を弄っている。
彼女からメールが来たのだ。
卒業式の出席のことを聞かれ、私は当然のごとく欠席をすることを伝える。やはり彼女も同じらしく、私と同様まだベッドでだらけているらしい。
ただ、マコは出席するようだ。昨日も先生に卒業式のことを聞かれたっけ。
『お前ら、卒業式はどうするんだ?』
『出ない』
『なんで!?一生の思い出だよ!?』
『でも、小学校とかでやったし』
『いやいやいや!そこ関係ないから!!』
『せっかくの卒業式なんだから、卒業生は出なきゃだめだろ』
『せっかくの卒業式だから休むんだよ!』
『なんでだよ!』
『眠い!!』
『眠くてもいいから来い!!』
『なに言ってるんですか先生!卒業生が堂々と寝てていいと思ってるんですか!?』
『起きろー!!』
いや、だって眠いんだもん。
そんなことを思い出していると、彼女から返信が。
夏休み、どこか行かないかという誘いだ。
そういえば、彼女は遠くの学校に行くんだっけ。電車で二回ぐらい乗り継いで、二時間?
私は乗り継ぎなしで電車で二十分の学校。マコはバスだったかな。
彼女は遠いから、その学校の寮に入る。彼女に会えるのは長期休みの間だけ。
私は彼女と会う約束をし、メールを終わらせる。
ああ、夏休みが楽しみだ。
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