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私は手を伸ばして彼女の頭をよしよしと撫でる。
「帰りますか」
「そうですね」
彼女を促して、私たちは帰りの仕度をする。実は私と彼女は校門を出たら反対方向に進まなければならない。その為、校門までの道のりをやたらゆっくり歩いたりする。
「んじゃ、またね」
「おう」
でも、別れはあっさり。
って言うか、女の子が『おう』なんて言うんじゃありません!
私も言いますが!!
あー、今日は本当に暑い。頭くらくらするし。これで徒歩はきついわ。
なんかもう、貧血な気分。そしてなぜか動悸が。
え、更年期?
まだ早くない?
私一応十代よ?
あーもうホント、苦しい。
気持ち悪い。うん、キモイ。
世界がぐるぐる。
ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる。
ああ、息が出来ない。
そこから先の記憶は、まったくなかった。
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