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「………好き。」
その二文字の言葉に私は振り回されている。たった二文字。されど二文字。その言葉、いや―――――、彼の言葉は私の思考回路をショートさせるくらいの威力をもっていた。
「あのさ、相原……話聞いてる?」
「え?えっと、その…………………うん。」
気恥ずかしいというかなんというか。目の前の男子、もとい和谷君の心情がわからない。本気かもしれないしもしかしたら
何かの罰ゲームだったりするのかも。そんなことを悶々考えてると和谷君が言った。
「相原、これ罰ゲームじゃないから」
「え」
「顔にかいてある」
見透かされたように言われて驚いた。でもそんな事に驚いてる暇はなくて、気付いたら腕を引っ張られて彼の胸のなかにいた。いい匂い、じゃなくて!!
「わ、わわわ、和谷くん」
「……相原どもりすぎ」
苦笑する和谷くんに私は顔を赤くして俯いた。ドキドキする。もしかしたら和谷君にまで聞こえてるのかもしれない。そう思うと余計恥ずかしさが込み上げてくる。
「相原、」
「な、なに、和谷君」
「俺、本気だから。」
だから覚悟しとけよ?
そう言って彼は笑ったのだ――――。
和谷君と相原さん① 終
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