第1章

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学園の敷地内は広く真弓も奈津美もいまいち把握できていない。 「この学園、広いよねぇ?」 「そうね。生徒は少ないのに。」 「あなた達! 早く教室に行かないと授業に遅れるわよ?」 花壇の手入れをしていたチャペルのシスターが言った。 背筋を伸ばし、服装もきちんと整えた壮年の女性。 一見して聖職者とわかる服装。 アニメやドラマで見る様なシスターの服装は、黒でびしっと決めていながらも、穏やかな笑みを浮かべ真弓達に注意する。 慌てて返事する二人。 「は、はい! ありがとうございます!」 言うと同時に走り出す真弓にシスターが困った顔で言った。 「走ったりしてはいけませんよ?」 「はーいっ!」 真弓は元気よく返事をして走っていた。 奈津美はオロオロとしていたがシスターに深くお辞儀をすると、慌てて真弓を追いかけていった。
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