第1章

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「ちょっ、真弓? 走ったら駄目じゃない…」 「奈津美ちゃんだって走ってるじゃん。」 二人は走りながら教室に向かっていた。 「大体、急がないとって言ってるから走った訳だし…」 真弓が得意気に言った。 「そうかも…だけど…」 「そうだよ!」 奈津美は何も言い返せないまま教室の前まで来ると、ゆっくりとドアを開けた。 生徒達は読者をしている者や友達同士で話しをしている。 「良かったね。間に合ったよ?」 「そう…みたいだね?」 二人は安堵のため息をつくと、いそいそと教室に入っていった。 アリス学園一年生総勢27名。 今年、受かった者はわずかこれだけだった。
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