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真弓が席に座って安心していると後ろから真弓を呼ぶ声がした。
クラスメイトの鷺ノ宮鈴華-さきのみやれいか-がトゲのある口調とともに、真弓のおでこにデコピンした。
「遅刻したら面白かったのにぃ」
「そ、そんな事言わないでよ!」
お嬢様みたいに笑う鈴華。
事実、鈴華は財閥の娘なのだが。
真弓は、鈴華が苦手だった。
入学式の日から見下した態度の鈴華。
鈴華は真弓を嫌いだった。
名前も顔も平凡な真弓は、アリス学園に相応しくないと思っている。
明るくて活発な真弓。
童顔な真弓の笑顔が苛々するらしい。
真弓とは真逆で、いかにもお嬢様な鈴華の容姿は確かに美しい。
フワッとした長い髪をかきあげる仕草一つにしても美しい。
そんな鈴華も真弓には厳しく当たってしまう。
自分勝手な理由で。
綺麗な女にはトゲがあるとは正にこの事だ。
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