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冷静沈着にそんなことを言ってのける社長が鬼か悪魔に見える。
そもそも出会ったばかりの女連れ込むってどうなのよ?
女には不自由しなさそうな顔してるのに…
なんで私なの!?
「申し訳ありませんが、お断り致します。」
「拒否権は無いと言ったはずだが?
そもそも家もなく、仕事も無いお前がどうやったら断れるのか理解できんな。」
「大きなお世話です!!」
勢いに任せて部屋を出て行こうとした私を引き止める忌ま忌ましい腕。
振り払ってやりたくて必死に手を振るが全く離れる様子はなく、徐々に力が強くなって行く気がする。
少し痛い…
「これ以上力を加えれば折れそうだが、どうする?
まだ足掻くか?」
「勿論そのつもりです。
腕が折れようとも、私の気持ちは変わりません。
離して下さい。」
何故か感情的に成らずに怖いくらい冷静に言葉が出てくる。
多分、今まではありえなかった怒りのピークを超えたんだろう。
でも、今はかえってその方が都合がいい。
「そうか…では仕方ない。」
伏し目がちにそう告げた社長は少し手の力を緩めた。
やっと諦めたと思って気を抜いた瞬間…
「!!!」
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