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「お前は素直だな。」
頭上から聞こえた声は思いの外暖かく甘い囁き。
その声に導かれる様に上げた瞳の先には幸せそうな社長の顔。
何故?
そんな言葉しか頭に浮かんで来なかった。
「ん?どうした?」
「社長、何故笑うんですか?///」
「笑ってはいけないか?」
「普通ならばヒステリックに叫ばれたら嫌がるものです。///」
「そうか。しかし俺相手に本音をぶつける奴が余りいなくてな。
あまりに素直なお前が愛おしいとさえ思えた。」
「いと……///すいません。感情的になりすぎました。///」
何故こんなあっさりとこんな言葉がでるんだろう。
愛おしい…
初めて言われた言葉にまごつきながら謝罪すれば、優しい笑顔から企み顔に早変わりな社長が口を開いた。
「謝罪は言葉だけでは通じない。
もっと気持ちを伝える努力をしたほうがいいな?」
「気持ちを伝える?」
私は社長の考えが見えずに困惑を広げるしかない。
だって、謝罪の気持ちを伝える方法って何?
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