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不適に笑う社長に私は咄嗟に手を上げてしまった。
バッチーンと渇いた音が部屋に響く。
「ッ!!」
左頬を押さえて呆然とする社長。
「ふざけないで!!
誰があんたなんかの女になるかぁぁぁ!!」
お腹の底から叫び部屋を出ようとしたら、そこにはいつ入って来たのか、口元を右手で隠しながら桐島さんが立っていた。
「クスクス。
嫌われちゃいましたね、俊哉?」
「…うるさい。」
「クスクス。
無理矢理何かしたんでしょ?」
「…黙れ。」
「クスクス。
これからどうするんですか?」
「お前には関係ない。」
実に楽しそうな桐島さんに対して、すごく不機嫌な社長。
えっと…私は…すごく気まずいね。
そっと出ていくにもドアの前に桐島さん、どいてくださいとも言えない。
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