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そんな私を引きずる様にずんずん社長は歩いていく。
私は小走りで着いて行きながら軽く息が上がってしまう。
ちょっと情けない…
社長歩くの早過ぎるんだよ、身長も足の長さも違うし…
なんて軽く言い訳してみても、長年パチンコ屋にいた事が余計に私を惨めな気分にした。
「ハァ…。
早いならばそう言え。」
「ハァ…ハァ…。
すいま…せん。」
それからは少しゆっくりと歩いてくれる。
なんだか、初めて優しくされてこそばゆい感覚を覚えた。
駐車場の隅にある広々としたエレベーターに乗りこみ、何やらカチャカチャと操作すれば静かに上昇を始める。
やっぱり二人きりの空間って気まずい…
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