662人が本棚に入れています
本棚に追加
次の朝、遠くから聞こえる社長の声で目が覚めた。
何か、怒ってる?
恐る恐る部屋を出た私は真っすぐリビングに向かう。
誰が来ていて、何故怒ってるのかわからないけど、男性の怒声ってやっぱり怖い。
『お前は何がしたいんだ?』
『あら?俊哉さんこそ、私というものがありながら…何してらっしゃるのかしら?』
リビングの前まで来た私の耳に飛び込んできた少し高めの女性の声。
私というものがありながら…って事は彼女さん?
なんだ…彼女いるんじゃない…
なんだか馬鹿馬鹿しくてまた寝室に戻って荷物をまとめて、勢いよくリビングに入っていく。
「あ、社長おはようございます。
昨晩は急に失礼しました。お蔭さまで助かりました。
あれ?彼女さん、ですか?
私社長室受付の佐野宮真雪と言います。
昨日飲み過ぎて社長に迷惑かけてしまって…すいませんでした。」
「あら?そうでしたの?
それならそうと言って下されば良いのに…俊哉さんったら人が悪いわ。」
最初のコメントを投稿しよう!