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ウフフと軽やかに笑う女性は恐らく社長より若い。
腰までの栗色の髪を緩く巻き如何にも上品そうなワンピースを着ている。
これまた綺麗な人…
なんか社長の周りは美人が多過ぎだよ。
半ば呆れ気味の私はその後は勢いに任せて出て行くしかない。
肩の荷物を直していざ扉に手をかけた時…
「何をしている。
一人で出社出来るとでも?」
「う゛っ…
タクシーでも捕まえるので大丈夫です…」
「では社名を言ってみろ。
もしくは所在地でも構わないが?」
「………ワカリマセン。」
「ん?聞こえないが?
何か言ったか?」
下げていた視線を少し上げれば不敵に笑う社長の顔。
絶対楽しんでる!!
本当性格悪いわ、この社長!!
「俊哉さん、あまりいじめては可愛そうですよ。
私は水野夢華と申しますの。会社迄ならばお送りしますわよ?」
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