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「あの!水野さん、誤解です!私社長とは全くこれっぽっちも関係ないです!ただの社長室受付なだけでして…本当です!!」
身の危険を感じた私は慌てながら必死に弁明を試みる。
だってお嬢様に敵視されると何されるかわからないじゃない?
なのに、水野さんはまだ私を睨み付けたまま全く聞く耳持たずな態度を見せ続ける。
それから5分程、誰も口を開かず、気まずい沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは透き通る様な水野さんの声。
「佐野宮さん、貴女がいくら口先だけで言葉を発しても真実は見えてますわ。
俊哉さんはね、今まで一度だってお付き合いされてる方以外の身体にご自分から触れた事は無いのよ?知ってらして?
貴女は当たり前の事の様にしてらしたけど、それが余計に不愉快よ。」
あまりの怒りからだろう。水野さんの目には欝すらと涙が溜まり、頬が僅かに高揚している。
でもそんな事言われても私知らないし、社長が何考えてるかわかんないもん…ね?
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