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その日から私は趣向を変えて、タウンページの企業順に電話をかけまくった。
だいたい何処も『募集してない』とあしらわれるけど、めげない強い志はあった。
そしてついに話しを聞いてもらえても、電話口から聞こえるのは非常の声。
『資格が無いなら難しいと思いますよ』
かなりやけになった私は毎日一人で飲み歩いた。
近所のスナックはすっかり常連と化し、ママさんに『家で繋ぎ程度に働く?真雪ちゃん美人だから大歓迎よ?』なんて冗談まで飛ばされる。
その度私は「無理よ~」で切り上げてしまう。
本当はママさんに甘えてしまいたい。
けど、そんなことしたって私が続くわけ無いんだよ。
スナックなんて向いてない。
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