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目覚めるとそこは病院だった。
白い天井が眩しかった。何も考えられずにぼうっとしていると、
「千種!?」
叔母さんが私を呼んだ。泣きそうな顔をした叔母さんがあれこれと言っていたような気がする。でもほとんどの言葉は、私の中を通り過ぎるだけで意味を成さなかった。
ばたばたと慌ただしく人が動いていた。私はぼんやりとそれを眺めるばかりで、何かをしようだなんて思いもしなかった。
「よかった……本当によかった」
何度も言われた覚えがある。それは叔母さんが言うこともあったし、叔父さんが言うこともあった。ただ、そう言われても頭を撫でられても、何も感じなかった。
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