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頭を強く打ったのだと説明された。他にも体のあちこちを打ったせいでしばらく痛みがあるだろうとも。
それから、右の太ももには大きな傷跡があって、何針も縫ったと言われた。外側だから余計に目立つ。
女の子なのに傷が残って可哀相だと、口にはしなくてもみんなの目がそう告げる。
それに加えて、一人生き残った子供という憐れみの視線で私を見る。そうやってみんな、私を可哀相な子供として扱う。
生き残ったのだから、傷跡なんて気にするなと慰めてくれる人もいた。そういう人の方が、私を憐れみの目でみる人より何倍もましだった。
でも、生き残ったこと自体が苦痛でしかなかっただなんて、みんな知らなかったでしょう?
それとも、ありふれた話だった?
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