69人が本棚に入れています
本棚に追加
「無理、だよ。笑えないよ……」
そんなこと、できるわけないよ。ねえカミサマ、知っているくせに。
なのに貴方は私をなだめるように言う。
「大丈夫。もう、大丈夫」
そんなの、理由になってない。満足そうな顔をしないで。貴方ばかり救われて。救ってほしい、なんて言わない。救われる価値も資格もあるなんて思ってもないから。でも、それでも貴方は私を救おうとしている。そんなこと、しなくていいから、だから。
「僕のためには泣かないで。僕のためというなら、どうか笑って。千種には笑っていてほしいから」
お願い、とカミサマは言う。卑怯だ。貴方はもう消えてしまうから。いなくなってしまう貴方の願いを叶えないなんて、そんな。それが心からの願いだと、わかってしまう。
「……だよ」
言葉がこぼれた。
「……やだ、よ。いなくならないで……!」
最初のコメントを投稿しよう!