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目が覚めてからずっと、私は泣いていた。数年分の涙は止まることを知らずに流れ続けた。涙を流すたびに、私の心は少しずつ軽くなっていく。だから、泣きたくなかったのに。
泣き続けては泣き疲れて眠り、起きたらまた泣いて。それを繰り返した。泣きすぎて脱水症状を起こしかけて、点滴を増やされた。泣かないように、と言われても蛇口が壊れてしまったみたいに泣き止まなかった。今までどうやって我慢していたんだろう。もう、わからない。
病室に来てくれた叔父さん叔母さんはそんな私の姿に驚いていた。それはそうだろう。両親の死を知ったときも泣かなかった私が、泣いているのだから。
そうして大丈夫大丈夫とあやすように抱きしめてくれた。そのぬくもりを感じて、私はこんなに大切な人をないがしろにした挙句、捨てようとすらしていたことに気づいた。だから余計に泣いてしまって、けれど離さないでいてくれた。
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