京一夜艶恋唄

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か細い声。 水面さえ波立たせないような所作。 彼女は、ビールと何でもないおばんざいを頼み、静かに俯き佇むだけ……。 僕はすっかり冷めた空気から逃げる様に、そそくさと帰路に着くための勘定をすませていた。 「(ほな、板さん……またね)」 僕はそっと席を立ち、店から去ろうと彼女の後ろへ……。 その瞬間、ふと彼女と目が合った。 彼女の瞳は…… キラキラと薄暗い店内の照明に乱反射していた。
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