さよならビリー

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時は流れ、僕のアルコールライフのターニングポイントがやって来る。 過労が祟ったのか、何かの呪いか…… 社内でバタバタと倒れてゆく後輩や先輩や上司達。 流行りモノに目のない僕も、漏れなく出社途中で呼吸が出来なくなり、道端に倒れ込んでいた。 月の残業が200時間を越える日が、もう半年は続いていた。 時は、マスメディアが『過労死』と言うワードを口々に叫びはじめた時代。 時代の流れに漂う様に、僕の派遣先の会社も、じわじわと残業規制がひかれて行く。 そんな、急に開いた時間の間には、いつの間にかアルコールが滑り込んでいて……。 気付けば僕は、再びアルコールと共に生活が送れるようになっていた。 それは僕が入社から約三年目の事。 僕は今までの隙間を埋めるかの様に、再び酔いどれた珍道中をひた歩き始めていた。
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