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隊舎に入り、アリスはシグナムを先頭にシャーリーのいる部屋に案内されていた。
『……………………』
『……………………』
二人は何も会話もなく黙々と歩く。
アリスはこういう時間も悪くないと思った。シグナムは口数が多い方ではない。
『………………』
だが、部屋まで続くと思っていた静寂も閉じる。
『…ときにアリス。記憶の方はこの半年で何か進展はあったか?』
後ろを向かず歩きながら、シグナムはアリスに問う。
『……いえ、さっぱり』
(私は4年前の空港火災の以前の記憶がない。医師によると事故のショックらしい……また、名前も忘れてしまい、この名前はイグニスにつけてもらった名だ)
『…そうか』
それだけ言ってシグナムは足を止める。
『…シグナムさん?』
いきなり止まったのでアリスは疑問を抱く。
『ついたぞ』
シグナムは扉の前で止まっていたのだ。
『あ、…はい』
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