第一章 青空の始まり

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隊舎に入り、アリスはシグナムを先頭にシャーリーのいる部屋に案内されていた。 『……………………』 『……………………』 二人は何も会話もなく黙々と歩く。 アリスはこういう時間も悪くないと思った。シグナムは口数が多い方ではない。 『………………』 だが、部屋まで続くと思っていた静寂も閉じる。 『…ときにアリス。記憶の方はこの半年で何か進展はあったか?』 後ろを向かず歩きながら、シグナムはアリスに問う。 『……いえ、さっぱり』 (私は4年前の空港火災の以前の記憶がない。医師によると事故のショックらしい……また、名前も忘れてしまい、この名前はイグニスにつけてもらった名だ) 『…そうか』 それだけ言ってシグナムは足を止める。 『…シグナムさん?』 いきなり止まったのでアリスは疑問を抱く。 『ついたぞ』 シグナムは扉の前で止まっていたのだ。 『あ、…はい』
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