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「君はさ、"叶わない恋"ってどう思う?」
「何ですか…いきなり。」
いつかの帰り道。先輩は突然切り出した。
俺はその何気ない一言に、胸が張り裂けそうになった。
それでも、俺は彼女に何も伝えることが出来なくて、何もない顔をすることが精一杯だったのを覚えている。
「なんかね、前言っていたヒト…いたでしょ?あのヒト、奥さんいるみたい。」
その言葉は、俺の耳にこびりついて離れなかった。
何も言えなくて、今まで何度も、『振られればいい。』と思ってきたのに、実際、嬉しくも何ともなかった。
ただ、先輩の気丈な態度を見ていると、ココロが痛くて仕方なかった。
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