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「明日早いから」と。
さらに潤む目を見ないように背中を向けて、同級に軽く謝りながら店の出口に向かう。
もう頭の中は『早く寝よ。』くらいしかない。
昔から俺は洒落っ気がなく、いや、ユーモアとかはあるんだけど、何をするにしても『メンドクサい』と頭が思う。
その思いよりもやりたいことの思いが勝てば行動する。
当たり前のことだが、それを認識するのは難しいことだ。
Tシャツ短パン、キャップにショルダー、まるで夏休みの子供の格好をした23歳の俺は下駄箱に手を伸ばした。
開くと去年買ったブランド物のスニーカーが『待ってました』と姿を現す。
スニーカーのヒモを結び、立ち上がって外にでた。
店員の優しい送り出しの言葉を受けて通りに出て手のひらを体の前で上に向けた。
「雨、やんだんだ。」
この口にした言葉がよもや自分に向けられるとは、誰も未だ思わないでしょう!?
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