自己への嘆き

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我が身を呪い、憎む この世は混沌としている 人間という名の大樹 その大樹に実る果実は、様々な色を持っている 喜び、怒り、悲しみ、楽しみ 憎しみ、欲望、憧れ、哀愁 そして……愛 この世に産み落とされた悲しみ 人の世が続く限り、終わる事のない悲しみ それはいつしか憎しみとなり、やがて怒りに変わる そう……僕のように 光を目指して歩いていたはずなのに、気がつけば闇の中 何か、得体の知れないしがらみが体を蝕んでいる…… 鎖で縛られた魂(=心) 魂は水 体は器 水が濁っていれば器も汚れる 心が病めば、体も病む その逆も然り 魂と体は繋がっている だから魂を救うには体を救ってやればいい でも……魂がしがらみに捕われていたら、鎖で縛られていたら それらを解き放たなければ、魂が助かることはないだろう 人は生まれ、育ち、老い、死ぬ 0から100へ 100から0へ ……貴方はどっち? 人生は夢 長い長い悪夢かも知れない 少しの幸せな夢かも知れない でも…それは夢だから いつかは終りが来る 輪廻があるのなら、それはきっと夢から夢への旅路 新しい夢は幸せな夢かも知れないし、もの凄く悲しい夢かもしれない 次の夢はわからない だから……今の夢を精一杯見て生きたいと思う 己の魂を救う為に 我が身を呪い、憎む この世に産み落とされし悲しみの連鎖 人間という名の大樹に実った一つの果実 それが僕であり、貴方 果実は様々な色を濃くしていきながら熟していく 熟した果実は人間によって食べられるか、そのまま果肉を腐らせ種を残す 種はいずれ、人間という名の大樹に成長するであろう 連鎖は続く…… その連鎖が続く限り、人の世に産み落とされし悲しみは消えることはないだろう 今日までも、そして明日からもずっと…永遠に……
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