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「今日はすっごく楽しかった!!」
時刻は19時半。もう空はすっかり暗く、俺たち4人は、主役である梨菜ちゃんを家に送っている途中である。
晩飯もレストランで食べたし、遊園地で梨菜ちゃんの誕生日プレゼント買ってあげたし。
サプライズの方がいいかなとは思ったんだが、プレゼント持ち歩きながら遊園地歩き回るのもアレということで、遊園地で買った。
麻衣はピンク色のカチューシャで、夏氷は小さなハンドバッグ。俺は何を買ってあげればいいかわからず、とりあえず可愛らしい星の付いたキーホルダーをあげた。
でも梨菜ちゃんは喜んでくれてたし、俺も他の2人も嬉しかった。
「梨菜、今日もらったプレゼント大切にするね?」
「ああ。大切にしてやってくれ」
満面の笑みの梨菜ちゃん。その笑顔を見るだけでこっちまで笑みがこぼれてしまう。
今日はホントに楽しかった。久々の遊園地だったのもあるけど、このメンバーでってのもあると思う。
また行きたい。素直にそう思えた1日だった。
「陽兄ちゃん、もうここでいいよ。すぐそこだから」
梨菜ちゃんが口を開く。
「ダメだよ。危ないじゃん」
「大丈夫だって、ほら!もう見えてるから!」
そう言って指差した先には、確かに梨菜ちゃんの家がある。
「いや、でもなぁ……」
「大丈夫大丈夫!じゃあまたねお兄ちゃん、お姉ちゃんたち!」
手を振って、一人で走って行ってしまった。
「あっ!ちょっ梨菜ちゃん!」
「大丈夫だろ陽太。もう目の前なんだしさ」
「ん~……」
な~んか…どうも嫌な予感がすんだよなぁ……気のせいか?
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