秀吉と家康と信雄

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このように行くとは思えないが、生き残りは充分可能とふんだ。 しかし、秀吉も、それを知ってるから、なんとしても信雄を除こうとするだろう。 信雄は賢い男では、ない。 普通なら、とっくに潰されてるか秀吉に取り込まれている。 それが、こうして残っているのは、あの三人、特に、あの男がいるからだ。 信長公が織田家存続最後の切札として信雄に付けた津川義冬。 この男が、いるかぎり秀吉も手を出せるものでは、ない。 何しろ黒田官兵衛さえも心胆寒からしめた男なのだ。 秀吉主従を恐れさせたのは秀吉が光秀をうちとった山崎の戦いの、すぐ後の神算鬼謀だった。 この男のために秀吉は大きく足止めを、食らってしまったのだ。
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