◇追憶の月影①◇

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 距離にして1センチでしょうか?互いの呼吸が触れ合う近さで妹の顔を見つめると、しみじみ可愛い顔をしているなぁと感じます。  そんな妹の無防備な唇に距離が近付くと、不思議と自分のそれを重ねたいという思いが浮かんでしまいました。  ミーシャは、実は本当の妹ではないのですが、お兄ちゃんとしてそういう事を考えるのは、いけないコトですよね…と僕がそんな事を考えていると、  「お兄ちゃ~ん、はやくぅ~」 とミーシャが、僕を急かします。苦笑いをしつつ僕は、自分の唇を優しくミーシャのおでこに触れさせました。『チュッ』と音がして、ミーシャのほっぺがポッと紅く染まっていく。  「はぁ~とろけそうだよっ」  ミーシャは、くすぐったそうにしながら、その言葉通りの幸せそうな姿に思わず、ミーシャを直視してしまっている僕に、  「お兄ちゃん、じっとミーシャのコトを見てどうしたの?…ひょっとして唇と唇でしたいとか!!」 と期待に満ちた顔でそんな事を言うんだからなぁ~  「なっ、なんでもないよっ!あははっ…」 一瞬だけそんな事を思ってしまったという事は、バレないようにしないとね…
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