○月影事件-moonlight-○

10/16
前へ
/40ページ
次へ
 「『つきかげゆうさ』…じゃあ、ユウおねえさんですね。ボクの名前…そうですね、『ブルー』って呼んで下さいです」 と女の子…ブルーはワタシの腕の中で微笑みながら、自己紹介してくれました。ちゃんとした自己紹介も終わったので、もっとブルーとお話をしてみる事にします。  「ブルー、あのガスマスクさん達が何者かわかる?」  「外の人達は、怖い人達、白衣を着ていたから、たぶん…研究をする人達だと思う…」  「白衣を着ていた?ワタシを連れてきた人達は、そんな格好してなかったと思うよ?白衣を着ている所を見たの?」  「見た。もうちょっとしたら、ボクはまた見る事になるの…」  「また?また見るってどういう…」  言葉を続けようとした時、『ガシャン!』と大きな金属音がしました。  「なにっ?」 その大きな音に反応して、ワタシは声を上げます。音は背後…つまり、牢屋の入口からのものでした。 目を向けると、そこには二人組のガスマスクさん達がいて、こちらに近付いてきます。  「嫌っ!こっちに来ないでっ!!」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加