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ワタシは、ガスマスクさんが何か良からぬ事をするのではないか?と想像して、腕の中にいるブルーと共に後ろへと後退(アトズサ)ります。けれど、ブルーはワタシの事を見上げ、
「ユウおねえさん、大丈夫ですよ。今は、ボクの番ですから…」
と今までの愛らしい雰囲気から大人びた雰囲気に様子を変えて…そういうのでした。
「どっ…どういう事なの?ブルー??」
ワタシはブルーの言葉の意味が分からず、ブルーに尋ねます。ブルーは、ワタシの腕からひょいっと抜け出して、
「『今回は』ボクがこの人達に連れて行かれるという意味ですよ」
とまた、先程までの愛らしい雰囲気に戻って質問に答え、ニコッとして笑顔を見せて、ワタシの小指と自分の小指を絡ませ合い、
「ボクが戻ってくるまで耳を塞いでおいて下さいね、約束です」
と言葉を一言残して、二人組のガスマスクさん達に連れて行かれてしまいました。
「耳を塞ぐ?…一体何があるの?ブルー…」
つい出てしまったその言葉は、虚しく牢屋に響きます。今にして思えば、ブルーのお願いをすぐに聞いておくべきでした。
そうしたら、これから起きる事を知る事がなかったかも…しれなかったのに…。
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